葬儀保険の選び方と比較|ランキングの見方と費用から考える必要額

葬儀保険は葬儀費用に備える少額短期の死亡保障で、告知が緩やかで高齢でも入りやすい反面、掛け捨てで年齢が上がると割高になりがちです。平均的な葬儀費用と必要額から、貯蓄や生命保険との使い分けで選ぶのが基本です。

葬儀保険をランキングで調べると、加入年齢や保険金額の並びが各サイトで違い、どれが自分向けか迷う人は多いはずです。同じ「葬儀保険」でも、保険金が一定か保険料が一定か、告知の緩さで中身は大きく変わります

この記事は、特定の商品に順位を付けることはしません。代わりに「葬儀費用はいくら必要か・葬儀保険はどんな仕組みか・どう選べば後悔しにくいか」を費用の実額から整理します。判断の物差しを持てば、ランキング上位というだけで選ぶことを避けられます。

なお、保険料や保障内容、告知の基準は商品・契約・年度で異なります。本記事は2026年時点の一般的な整理であり、最終的な加入判断は各商品のパンフレット・約款を確認したうえで行ってください。

この記事でわかること

  • 葬儀保険とは葬儀費用に備える少額短期の死亡保障で、保険金は数十万〜300万円程度
  • タイプは「保険金一定型」と「保険料一定型」の2つ。年齢で保険料か保障が変わる
  • 強みは告知が緩く高齢や持病でも入りやすい・保険料が割安・支払いが早い
  • 注意点は掛け捨て・長く入ると総額が保障を超えうる・生命保険料控除の対象外
  • 選ぶ前に葬儀費用の必要額を出し、貯蓄や生命保険との使い分けで判断する

公的情報源: 金融庁「少額短期保険業者向けの監督指針」(参照)/国税庁「生命保険料控除」(参照

結論を先に書きます

葬儀保険とは、葬儀費用にしぼって備える少額短期の死亡保険です。告知がやさしく、80代でも申し込める商品がある一方、掛け捨てで年齢が上がるほど割高になりやすい性質を持っています。

だからこそ、先に「自分の葬儀にいくらかかりそうか」を見積もり、その必要額を貯蓄・生命保険・葬儀保険のどれで賄うかを分けて考えます。順を追って整理します。

この記事の要点
  • 葬儀保険は少額短期保険。保障は小さく契約は1年更新が中心
  • タイプは保険金一定型と保険料一定型。長く入るほど負担感が変わる
  • 強みは入りやすさと支払いの早さ、弱みは掛け捨てと割高化
  • 貯蓄で賄える人・若く健康な人は、生命保険や貯蓄のほうが向くこともある

まず保険全体の中での位置づけを知りたい人は、保険の種類一覧もあわせて読むと、葬儀保険がどのグループに入るかをつかみやすくなります。

目次

葬儀保険とは|葬儀費用に備える少額短期の死亡保障

葬儀保険とは、葬儀費用や葬儀後の整理費用に備えることを目的にした死亡保険です。多くは少額短期保険(ミニ保険)に分類され、保険金は数十万円〜300万円程度の小さな保障を、1年更新の契約で持ちます。

一般的な生命保険が数百万〜数千万円の保障を長期で持つのに対し、葬儀保険は「葬儀代という用途に金額をしぼった保険」です。用途は葬儀に限られず、墓地の費用や当面の生活費に充てても問題ありません。

保険金は「一定型」か「一定料型」で受け取り方が変わる

葬儀保険の保険金は、契約時に決めた金額を死亡時に受け取る形が基本です。受取人が指定できるほか、葬儀会社へ保険金を直接支払う「直接払い」に対応する商品もあります。

支払いが早い点も特徴です。書類が届いてから最短で翌営業日、多くの商品でも5営業日以内に支払われるため、葬儀費用の当座の持ち出しを抑えやすいのが実務上のメリットです。

少額短期保険ならではの3つの注意点

葬儀保険の多くは少額短期保険です。一般の生命保険と扱いが異なる点が3つあり、ここを知らないと加入後に戸惑いやすくなります。

少額短期保険と一般の生命保険の主な違い

項目少額短期保険(葬儀保険)一般の生命保険
保険金の上限死亡保障は原則300万円まで数千万円規模も可能
生命保険料控除対象外対象(一定額を所得控除)
契約者保護の仕組み生命保険契約者保護機構の対象外同機構の保護対象

生命保険料控除の対象外である点は見落とされがちです。同じ死亡保障でも、一般の生命保険なら受けられる税の軽減が、少額短期保険では使えません(国税庁の生命保険料控除の対象は一般の生命保険会社等の契約に限られます)。

また万一の会社破綻時、一般の生命保険は契約者保護機構が一定の保護を行いますが、少額短期保険はその対象外です。少額短期保険業者は供託金の制度で契約者保護を図る仕組みになっています。詳しくは少額短期保険(ミニ保険)とはで整理しています。

葬儀費用の平均額から必要保障額を考える

葬儀保険を選ぶ出発点は「いくら必要か」です。保険金額は、想定する葬儀形式の費用から逆算すると、過不足のない金額を決めやすくなります。

葬儀費用は形式によって差が大きく、平均だけを見て決めると多すぎたり少なすぎたりします。まず全体の目安をつかみます。

葬儀形式別の費用の目安

株式会社鎌倉新書の「第6回 お葬式に関する全国調査(2024年)」によると、葬儀の総額は形式で次のように分かれます。近年は家族葬や一日葬など、規模を抑えた形式が増えています。

葬儀形式別の費用の目安(総額)

葬儀形式費用の目安特徴
一般葬約161万円親族・知人を広く招く従来型。費用は高くなりやすい
家族葬約106万円家族・近親者中心。参列者を絞る
一日葬約88万円通夜を省き告別式のみ
火葬式(直葬)約43万円通夜・告別式をせず火葬中心

出典: 株式会社鎌倉新書「第6回 お葬式に関する全国調査(2024年)」

この総額には、基本料金のほか飲食費・返礼品費が含まれます。お布施や法要の費用は別途かかることが多いため、想定形式の費用に少し余裕を持たせて考えるのが現実的です。

必要保障額は「保険で賄う分」だけでよい

必要な保障額は、葬儀費用の全額ではありません。すでにある預貯金で払える分を差し引き、足りない分だけを保険で用意するという考え方が過不足を防ぎます。

たとえば火葬式や家族葬を想定し、預貯金で一部を賄えるなら、保険金額は100万円前後でも足りることがあります。逆に一般葬を望み手元資金が薄いなら、150万〜200万円を目安にします。「平均額をそのまま保険金額にする」必要はない点がポイントです。

葬儀保険の2つのタイプ|保険金一定型と保険料一定型

葬儀保険は「保険金が一定か、保険料が一定か」で大きく2タイプに分かれます。どちらが向くかは、加入年齢と何年くらい入り続けるかで変わります。

同じ商品名でもタイプが選べることがあり、更新のたびに負担がどう動くかを理解して選ぶことが大切です。

保険金一定型は「受け取る額」が変わらない

保険金一定型は、受け取る保険金額を固定するタイプです。葬儀費用として必要な額を確保しやすい一方、更新のたびに年齢に応じて保険料が上がっていくのが特徴です。

「いくら残せるか」を優先したい人に向きます。ただし高齢で加入し長く続けるほど、保険料の上昇を負担に感じやすくなります。

保険料一定型は「毎月の負担」が変わらない

保険料一定型は、毎月の保険料を固定するタイプです。家計の見通しが立てやすい反面、年齢が上がると受け取れる保険金額が少しずつ減っていく設計が一般的です。

「毎月いくらまで」と決めたい人に向きます。ただし想定より保険金が目減りし、葬儀費用に届かなくなる可能性もあるため、保障額の推移を確認しておきます。

保険金一定型と保険料一定型の比較

項目保険金一定型保険料一定型
固定されるもの保険金額毎月の保険料
年齢が上がると保険料が上がる保険金額が下がる
向いている人必要額を確実に残したい人毎月の負担を一定にしたい人
注意点長期の保険料負担保障額の目減り

どちらのタイプも掛け捨てのため、長く加入すると支払った保険料の総額が受け取る保険金を上回ることもあります。死亡保障全般の選び方は死亡保険の選び方・比較でも整理しています。

葬儀保険のメリットとデメリット

葬儀保険は、入りやすさという強みと、掛け捨てゆえの弱みが表裏一体です。良い面と注意点を公平に見て、自分の状況に合うかを判断します。

メリット|入りやすさ・割安・支払いの早さ

葬儀保険が支持される主な理由は次の3つです。特に、他の死亡保険に入りにくい高齢者や持病のある人の受け皿になりやすい点が大きな特徴です。

  • 告知が緩く入りやすい:医師の診査が不要で、告知項目が少ない商品が多い。80代で申し込める商品もある
  • 保険料が割安:保障を葬儀費用に絞るため、月々の負担を抑えやすい
  • 支払いが早い:最短翌営業日〜数営業日で支払われ、葬儀費用の当座の準備に使いやすい

告知が緩い「引受基準緩和型」や、健康告知のない「無選択型」を扱う商品もあります。持病があって一般の生命保険を断られた人でも、加入できる可能性がある点は、葬儀保険ならではの利点です。

デメリット|掛け捨て・割高化・保障の上限

一方で、構造上の弱みもあります。ここを理解しておくと、ランキング上位というだけで飛びつくことを避けられます。

  • 掛け捨て:解約返戻金や満期金はなく、途中でやめても戻りは基本的にない
  • 長期で割高化:年齢が上がると負担が増え、総支払額が保険金を超えることもある
  • 保障に上限:死亡保障は原則300万円までで、大きな保障には向かない

これは特定の商品が劣るという話ではなく、少額短期の死亡保障に共通する性質です。だからこそ、貯蓄や生命保険と比べたうえで「葬儀費用に絞るならこれが合う」と納得して選ぶことが大切になります。

ランキング・比較で見るべき5つの軸

葬儀保険のランキングは、運営側の基準や集計時期で順位が変わります。上位=自分の最適とは限らないため、順位そのものより「自分の条件に合うか」を比較軸で確かめます。

条件をそろえて比べる5つの軸

商品を比べるときは、次の5つをそろえて見ると判断しやすくなります。保険料の安さだけで決めないのがポイントです。

  1. 加入・更新できる年齢(自分の年齢で入れるか、何歳まで続くか)
  2. 告知の緩さ(告知項目数・無選択型の有無・持病があっても入れるか)
  3. 保険金額の設定幅(必要額に合う金額を選べるか)
  4. 支払いの早さ(翌営業日〜数営業日・直接払いに対応するか)
  5. 契約者・被保険者の範囲(本人だけか、親を被保険者にできるか)

たとえば「親の葬儀費用に備えたい」なら、子が契約者になり親を被保険者にできるかを確認します。「持病がある」なら告知の緩さ、「高齢で加入」なら更新できる上限年齢が効いてきます。同じ順位でも、効く軸は人によって違います

ランキングは「候補を絞る材料」として使う

ランキングは、まず候補を数社に絞る入り口として役立ちます。そのうえで上の5軸を自分の条件に当てはめ、資料やパンフレットで詳細を確認するのが現実的です。

各相談窓口の特徴や比較の進め方は保険相談おすすめランキング・比較で条件をそろえて確認できます。判断に迷うときは、立場の異なる第三者の意見も参考になります。

貯蓄・生命保険との使い分け|向く人・向かない人

葬儀費用への備えは、葬儀保険だけが答えではありません。貯蓄・終身保険・葬儀保険にはそれぞれ得意な場面があり、自分の年齢・健康状態・資金で使い分けます。

備え方の3つの選択肢を比べる

葬儀費用の主な備え方を整理すると下表のとおりです。相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は、受取人を指定した死亡保険金に適用される点も押さえておきます。

葬儀費用の主な備え方の比較

備え方向いている場面注意点
貯蓄手元資金に余裕がある使い込みや準備不足のリスク
終身保険若く健康・大きめの保障も欲しい保険料は高め・審査あり
葬儀保険高齢・持病で他に入りにくい掛け捨て・割高化・上限あり

葬儀保険が向く人・向かない人

以上を踏まえると、葬儀保険が合いやすいのは次のような人です。反対に、他の手段のほうが有利になる場合もあります。

  • 高齢で他の死亡保険に入りにくい:告知の緩さで加入できる可能性がある
  • 持病があり一般の生命保険を断られた:緩和型・無選択型の受け皿になる
  • 葬儀費用ぶんだけを手早く用意したい:支払いが早く用途を絞れる

  • 預貯金で葬儀費用を賄える:掛け捨ての保険料が割高になりやすい
  • 若く健康で大きめの保障も欲しい:終身保険など他の選択肢が有利なことも
  • 長期間ずっと加入する前提:総支払額が保険金を上回る可能性がある

自分に合う備え方を家計全体から考えたいときは、FP無料相談のおすすめ・選び方もあわせて読むと、相談先の全体像をつかみやすくなります。無理に加入する必要はなく、貯蓄との比較で「保険で備える意味があるか」を先に確かめるのが安全です。

よくある質問(FAQ)

葬儀保険の仕組みや選び方について、よく寄せられる質問を整理します。

Q1:葬儀保険は高齢や持病があっても加入できますか?

多くの葬儀保険は告知が緩く、医師の診査が不要で告知項目が少ないため、高齢や持病のある人でも加入できる可能性があります。80代で申し込める商品や、健康告知のない無選択型を扱う商品もあります。ただし加入できる年齢の上限や告知の基準は商品ごとに異なり、無選択型は保険料が割高になる傾向があります。まず自分の年齢と健康状態で入れる商品を確認してください。

Q2:保険金一定型と保険料一定型はどちらを選べばよいですか?

「受け取る額を確保したいか、毎月の負担を一定にしたいか」で選びます。葬儀費用として必要な額を確実に残したいなら保険金一定型が向きますが、年齢とともに保険料が上がります。毎月の支払いを一定にしたいなら保険料一定型が向きますが、年齢が上がると受け取れる保険金額が減っていきます。長く加入する前提なら、更新後の保険料や保障額の推移も確認して選ぶと後悔しにくくなります。

Q3:葬儀費用はいくらを保険金額の目安にすればよいですか?

想定する葬儀形式の費用から、預貯金で払える分を差し引いた額が目安です。鎌倉新書の調査では葬儀総額は一般葬で約161万円、家族葬で約106万円、火葬式で約43万円とされます。すでに預貯金がある場合は全額を保険で用意する必要はなく、足りない分だけを100万〜200万円程度の範囲で設定するのが現実的です。お布施や法要費が別途かかることも見込んでおきます。

Q4:葬儀保険は生命保険料控除の対象になりますか?

葬儀保険の多くは少額短期保険であり、生命保険料控除の対象外です。生命保険料控除は一般の生命保険会社等との契約が対象で、少額短期保険の保険料は所得控除に使えません。税の軽減も重視するなら、一般の生命保険(終身保険など)と比較して総合的に判断するとよいでしょう。控除の要件は国税庁の情報で確認できます。

Q5:葬儀保険のランキング上位を選べば安心ですか?

ランキングは運営側の基準や集計時期で順位が変わるため、上位だから自分に合うとは限りません。加入年齢・告知の緩さ・保険金額・支払いの早さ・契約者の範囲といった自分の比較軸を持ったうえで、ランキングは候補を絞る材料として使うのが安全です。持病の有無や親を被保険者にしたいかなど、条件によって効く軸は変わります。

Q6:貯蓄があっても葬儀保険に入る意味はありますか?

預貯金で葬儀費用を十分に賄える場合、掛け捨ての葬儀保険は割高になりやすく、無理に入る意味は小さくなります。一方、手元資金が心配・持病で他の保険に入れない・支払いの早さを重視するなら、加入する価値があります。貯蓄・生命保険・葬儀保険を並べて、自分の年齢と資金で「保険で備える意味があるか」を先に確かめてから決めてください。

まとめ|葬儀保険は「必要額と代替手段」を見て選ぶ

葬儀保険とは、葬儀費用に絞って備える少額短期の死亡保障です。選ぶときは順位ではなく「必要額・タイプ・自分の条件・代替手段」を見ます。本記事の要点を整理します。

この記事のまとめ
  • 葬儀保険は少額短期の死亡保障。保険金は数十万〜300万円、契約は1年更新が中心
  • タイプは保険金一定型と保険料一定型。年齢で保険料か保障額が変わる
  • 強みは入りやすさ・割安・支払いの早さ、弱みは掛け捨て・割高化・上限
  • 保険金額は平均額でなく必要額から逆算し、預貯金で足りない分を用意する
  • ランキングは候補選びの材料。年齢・告知・保険金額・支払い・契約者範囲の5軸で比べる
  • 貯蓄で賄える人・若く健康な人は生命保険や貯蓄が向くこともある

葬儀保険は「ランキング上位だから安心」という性格のものではなく、葬儀費用の必要額と、貯蓄・生命保険という代替手段を比べたうえで選ぶものです。保険料や保障内容、告知の基準は商品・年度で異なるため、最終的な加入判断は各商品の約款・パンフレットを確認し、必要に応じて専門家に相談して行ってください。

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免責事項

※本記事は2026年時点の公開情報をもとにした一般的な整理であり、特定の葬儀保険・保険商品の加入を勧誘・推奨するものではありません。保険金額・保険料・告知の基準・支払条件・税制・関連制度は商品や年度によって異なります。制度の詳細は金融庁・国税庁等の最新の公式情報をご確認のうえ、最終的な保険選びは各商品の約款・パンフレットを確認し、必要に応じてFPなど専門家に相談して判断してください。

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この記事を書いた人

保険代理店で7年間スタッフとして働いてきた和田です。私はFP3級を持っていますが、FPとして保険のコンサルティングをしていたわけではありません。代理店の内側で「どのように保険が売られているか」を7年間見てきた観察者です。

現場にいると気になったことがあります。手数料ランキング上位の商品が推奨されやすいこと、顧客の家計状況を丁寧に聞かずに提案が進むこと。「この保険で本当にいいのかな」と思う場面を何度も見てきました。

退職後、FP3級を取得して自分の家族の保険を全件見直しました。手順を知っていれば、ネットと各社の見積もりを使って自分でできます。そのとき年間保険料を約30万円削減できました。当サイトでは、その手順と「代理店側が教えてくれない判断軸」を整理しています。**最終的な保険の選択は、中立的なFPへの相談もあわせてご検討ください**。

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